翻刻
丑六月廾九日万助嘉七を呼親代より主人之
恩莫大之事其上其方とても是非よき人ニ致
嘉七跡をも相続いたさせ度主人の心得ニ有
之候所其主人之目をくらまし不筋之儀等い
たし候趣追々註進いたし候もの有之候所外
々ものなれは直ニいとよも遣し可申筈ニ候
へ共嘉七跡之事ニ候間是非異見を加候ても
人ニ致度との思召に候間是より心を改誠忠
を盡【ことごとく】主人の為ニ相成候様心懸可申や江戸表
之伯父なとか此節之くらしを宜と心得候而
江戸ニても参り度なとゝ心を動候や江戸の
伯父の商業は誠ニ風前之燈の□【こと】く芸者をか
ゝえせんじ茶の道具を売猶指南をいたし候
なとゝ日をおくり居候へ共いつれ当坐のゑ
やうと申家を持永ク安閑を致候而一生をお
くり候商業とは相見不申候老年は相成候へ
はくらし方ニも指支候様之取しまりなき商
躰ニ候を夫を宜敷と心得主人ゟいとま出候
へは夫へ参りてもくらされるの常わ津をか
たつてもたべていられるのと若気の無分別