翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

俗語之種. [4] - 翻刻

俗語之種. [4] - ページ 17

ページ: 17

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毛もいやたつ計なり徐くかた端なる 中程に下りて左右を見渡せは倒れたる 家よりは死骸を抱ひいで怪我人を背負 家財取出し運もあり大なる潰れ家は なか〳〵に堀出す間もあらすして泣 叫声聞ながらもはや炎たる火をかむり 黒雲の如き烟りうづを巻て取かすみ 修羅とうくわつの苦患といへ地獄の【とうくわつ等活地獄。八大地獄の第一】 呵責といふとても是にはよもやまさる ましと見聞も中〳〵恐しくふるひ〳〵 て漸〳〵に淀ケ橋より細道つたひて はせ越へ出て夫よりかんねいかはの端を 歩行て?裏田町なる畔を踏み普済寺脇道に 至りてみれは是なる客殿をはしめとし軒並 揃うて倒れてあり驚怖しなから漸〳〵に 権堂たんほにいたりて見れは野宿のあり さま家財取出し囲となし残りし家 財こはれ戸や破れ障子を持運ひ畳よ桶よ 戸棚よと老若男女入交り上よ下へと散乱し  火災を遁るゝ辛苦の騒動驚き歎く計り也