翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

俗語之種. [4] - 翻刻

俗語之種. [4] - ページ 19

ページ: 19

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是を見るより善左衛門家内のものも漸〳〵に 心を慥にもち直し人は皆〳〵斯社【こそ】あるになとか 其侭焼捨なん一品なりとも出すへしとて 我家の際まて行ては見れとも塀は倒れて 道をとち隣家は潰れて路次をふさき近 寄事も容易(本ノ)【「マヽ」ガ脱字。「本ノマヽ」】或は震ひあるひは鳴動 千辛万苦の思ひにて漸〳〵一品二品を手に 携て逃出し一丁有余も隔りし青麦菜 種の田畑さへ諸人の騒動厭ひもなく踏あらし ては仮居をまうけかゝる急難変災なれは小屋 かけすへき用意は更なり屏風格子戸襖 障子有合ふものにて囲しのみ屋根も同しく 手当り次第命から〳〵持出せし荷物は其 侭積置て畳板戸を雨覆ひ日除ケ成る時節に 到りては欲は素ゟ始末も出来す此上如何なり ゆくものと狂気の如く狼狽けり然るに午の刻 過にこしろより権堂後町へ一やうに火移り 盛んに然【燃ノ誤字カ】立明行寺大門先まて焼下る事 眼たゝく間にして左右へ吹かけ又下た町へ 焼下るといへとも逃たりし諸人は壱丁余有も離れし