翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

俗語之種. [4] - 翻刻

俗語之種. [4] - ページ 20

ページ: 20

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田畑の中に小屋掛し荷物を持運ひ或は 怪我人あるひは煩ひを介抱し小児老人を いたはりたゝ〳〵狼狽さまよふのみには 今社【こそ】我家に火の懸るなれ其次社【こそ】我家なれ といふのみにて焼失する事を壱人として 驚くありさまもなくさなから是を 防とゝむるの咄しもなく煙火の中の家の むねをこゝよかしこと指さしつゝ狂気の 如くまた気抜の如くなれるもことわりなり昨 夜亥の刻掛る変災の大なるは前代未聞の 事共にて手足を労し身魂を悩まし千辛 万苦のみならす精魂を痛ましめ心を砕し事 実に尤父母妻子には夢うつゝの如くにして 長く別れ死骸たに其あるところをしらす して火宅の苦患を受るもの其数幾千万と いへとも是を問ひ音信するものもなく一日 一夜潰れ家の下にあり気力を痛め 漸〳〵に堀出されて一命助り始て是を見るに 夥敷怪我あるといへとも医療の便も更に なく身体紅に染り背負はれて野中に