翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

俗語之種. [4] - 翻刻

俗語之種. [4] - ページ 22

ページ: 22

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火は南にもえ行適残りたる家あり ても迫り返りては焼失し風替りては 残りたるを焼亡し戌の刻比に到りて 俄に風替り未申の方より丑寅のかたへ 向ひて大風烈しく暫時に善左衛門か家に 火を吹かくる事夥敷火煙り霞のことく 空によこたはり三輪宇木之辺まて火の 粉恐しく連なり始終火中にありて 一段の類焼は遁るといへとも俄に風替りて 不残り家を失ひけり折しも一天曇り 風雨はけしく田畑に小屋懸ケしたる者多 しといへとも誰ありてか風雨の凌を整ふものも なく家潰れさるものは戸棚箪子なとを 囲にして其うへに障子唐紙抔を并らへ のせて日覆にし倒れたる家には戸棚 箪笥も打砕て囲ふへき品もなくこわれ たる障子をれたる襖をからけつけてたはね 藁をうちかけしのみなりいつれの小屋も 斯なれはおのれか小屋より一足踏出しては おのれか小屋に帰る事を見失ひ取散し