翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻199-200 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻199-200 - ページ 111

ページ: 111

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 跡を隠して得さすへし萬事頼むと言置て把る袂引分  馬牽寄て打乗て跡をも不見して馳て行与市御  諚承りつく〳〵物を案するに野村の家を此時に絶し  給はん事共を御先祖に対しても不孝の至りと存る也  未幼少の人々にて御恥辱共不覚共誰かは謗り可申  落はやと老母をはしめ親子の人々相具して行方不知  成にける扨も野村か館へと急ける道にて行逢互に馬  より下り野村始終を言語り泣より外の事はなし野村  申ける様只爰許にて闇々と腹切んもいひかひなし討手  の勢を待かけ手柄のほとを尽して戦か又都の郡一行  討死するか如何あらんと言けれは福永つく〳〵と思案して    討手の勢と申すも昨日けふ肩をならへて膝を組し傍輩也  争ふへき恨なし主君伊東殿へは恨は数々多けれ共君々  たらすといへ共臣以臣たらすは不可有と聞時は弓を引も  仇言也死を一挙に定は安し謀を萬代に残すは怪し  先かたはらに忍ひつゝ世の有様を伺ふへし先此方へと申  けれは野村聞て命惜に似たれともいはれを聞は理り也  去なから此姿にては叶まし出家を遂んと言けれは福永  か譜代の郎等に渋谷権之尾【?】とて大剛の者有けるか進  出て申けるはこは浅間しき御事かないかに命おしきとて  出家に成法や有某一人有うちは千騎万騎と思し召  是より紙屋の里に無二の知人候へは彼方へ落させ給ひつゝ