翻刻
【右丁】
二竜(にりう)降(くだる)_二朝門(てうもんに)_一図 《割書:并 ̄ニ》劉累(りうるい)醢(しゝびしをにする)_二竜肉 ̄を【左ルビ:りやうにく】_一事
伊尹(いいん)之(の)図像(づざう) 傅説(ふゑつ)之(の)像(ざう)
雲中子(うんちうし)之(の)像 呂尚(りよしやう)釣(つりする)_二磻溪(はんけいに)_一図
文王(ぶんわう)夢(ゆめみ給ふ)_二飛熊(ひゆうを)_一図 《割書:并》文王(ぶんわう)得(ゑ給ふ)_二太公望(たいこうばうを)_一事
【左丁】
絵本写宝袋四之巻
孟河(もうが)に竜馬(りうめ)出現(しゆつげん)し庖羲氏(ほうぎし)河図(かと)を得(ゑ)給ふ事
古者(いにしへ)燧人氏(すいじんし)の女(むすめ)懐妊(くわいにん)する事(こと)十六ゕ月にして伏羲(ふつき)を生(うむ)
長(ひとゝなり)て身長(みのたけ)三丈六尺 首(かしら)蛇(じや)の如(ごと)く眼(め)虎(とら)に似(に)たり仰(あをいて)則 象(しよう)を
天に観俯(みふし)て則 法(ほふ)を地(ち)に観(み)る網罟(あみ)を結(むすん)で魚鳥(ぎよてう)を取り六 畜(ちく)を
豢(やしなふ)て庖厨(くりや)を充(みつる)万民(ばんみん)大によろこび楽(たのし)み推(をし)て君(きみ)とす此時 孟(もう)
河(が)に竜馬(りやうめ)現(あらは)る其 形(かたち)竜(りやう)に似(に)て身(み)に鱗(うろこ)を生(しやう)ず高(たか)さ八尺五寸
両翼(つばさ)有て水上を走(はしる)こと平地(ひらち)を行(ゆく)ごとし背(せな)の上に一の箱(はこ)を負(おふ)
帝(みかと)すなはち群臣(ぐんしん)と同じく河辺(かはのほとり)に至(いた)りこれを見(み)祝(しゆく)して曰(のたまは)く
朕(ちん)天下を治(おさめ)て過(あやまち)あらば朕(われ)を罪(つみ)し給へ望(ねかはく)は波浪(なみ)を息(やめ)て民(たみ)を
害(かい)すること勿(なか)れ背(せなかの)上の箱(はこ)若(もし)民(たみ)を益(ます)物ならば我に与(あたへ)給へとて
礼拝(らいはい)し給へば波(なみ)忽(たちまち)息(や)み竜馬(りやうめ)黙頭(うなづき)て河辺(かはばた)に至(いた)る帝(みかど)其 箱(はこ)を
受(うけ)開(ひらい)て見給へば箱(はこ)の内に河図洛書(かとらくしよ)八卦(はつけ)を画(くわく)し変(へんじ)て六十
四 卦(け)となつて以(もつ)て神明(しんめい)の徳(とく)に通(つう)じ万物(ばんぶつ)の情(じやう)に類(るい)す是 易(ゑき)の始(はじめ)也