翻刻
【右丁】
叙(ジヨ)-画(グワ)之(ノ)源流(ゲンリウ)
画ハ伏(フツ)-羲(キ)ノ河図(カト)ヲ得(エ)八 卦(ケ)ヲ画(エカキ)タマフヨリ初ル卦ノ象(カタチ)画-也 是(コノ)時
虫(ムシ)鳥(トリ)ノ形(カタチ)ヲ画テ書(シヨ)画(クワ)同-体《割書:也》舜(シユン)絵(エ)ヲ明(アキラカ)ニシ玉フ画(エ)ハ成(ナシ)_二教-法 ̄ヲ_一助 ̄ケ_二 人-倫(リン) ̄ヲ_一
窮(キハメ)_二神-変(ヘン) ̄ヲ_一与_二 六-籍 ̄ト_一同 ̄シフス_レ功 ̄ヲ ト云リ古-人ノ言(コトハ)ニ宣(ノフル) ̄ハ_レ物 ̄ヲ莫(ナシ)_レ大 ̄ナルハ_二於 言(コトハ) ̄ヨリ_一存(ソン) ̄スレバ_レ形 ̄ヲ莫(ナシ)_レ善(ヨキ) ̄ハ_二
於画 ̄ヨリ_一此(コレ)-之(コノ)謂(イヒ)-也又-曰 ̄ク絵(エ)ニ画(グハ)図(ト)写(シヤ)ノ三-象有 ̄リ画(スミエ)ハ画(エ)ノ総-名画ノ草(サウ)也
図ハ画(エ)ノ行(ギヤウ)写ハ画ノ真(シン)也又-曰画ハ是 有形(カタチアル)ノ詩(シ)-也異-名ヲ無声(ムセイ)【左ルビ:モノイハヌ】ノ詩(シ)【左ルビ:ウタ】
トモ名(ナツ)ク絵ノ神ナルコト風雲雨雪ヲ写(ウツ)シ四時ノ景(ケイ)-候(カウ)万(バン)-物ノ形ヲ
目前ニ出シ〝万-里ヲ尺-寸ノ間ニ象(カタト)ル不 ̄ル_レ見人ヲ写(ウツ)シ道ノ守 ̄リ トス是 ̄レ聖
人ノ初 ̄メ玉フ故(ユヘ)-也亦-曰五-聖ノ像(ザウ)ヲ画 ̄ク-時ハ必 ̄ス竜馬ヲ画ク俗 麒麟(キリン)ト云 非(アラス)
_レ麟(リン) ̄ニ竜馬(リウメ)也 伏(フツ)-羲(キ)画(エカキ)_レ卦 ̄ヲ タマフニヨル故也亦 孔(コウ)-子(シ)四(シ)-亜(ア)十(ジツ)-哲(テツ) ̄ノ連図ニハ麟ヲ画 ̄ク
代(ヨ)-々麟ト竜-馬ト形ヲ画(カキ)-誤(アヤマ)ル予(ヨ)三-才-図-会孔-門ノ書其-外諸-書ニ出ヲ
見 ̄ル ニ昔 ̄シ ヨリ麟ト名(ナツクル)形ハ竜馬也 図会(ヅエ) ̄ニ云 昔(ムカシ)伏(フツ)-羲(キ)ノ時 孟(モウ)-河(カ)ニ竜馬出 ̄ツ竜ニ
似(ニ)テ馬ニ似(ニル)身ニ鱗(リン)甲(カウ)趐(ツバサ)有 ̄リ長 ̄サ八尺 背(セナ) ̄ノ上ニ八-卦ヲ負(ヲフ)ト其 ̄ノ-図竜 ̄ノ首(カシラ)馬 ̄ノ形(カタチ)
鱗(ウロコ)甲ヲ画ク又 一(アル)書ニ竜馬 黄(クワウ)-河(ガ)ニ出 ̄ツ身(ミ)ニ旋(ツ)-毛(ジ)有 河(カ)-図(ト)是-也ト云ヘリ
竜馬ニ角(ツノ)火勢(クワセイ)弩(ド)【左ルビ:クチ】鬚(シユ)【左ルビ:ヒケ】背(ハイ)鬣(レフ)【左ルビ:ヒレ】ヲ画(エカク)ハ竜ニ似(ニル)ト云文 ̄ノ-勢ニヨツテ画 ̄ク モノ也
【左丁】如歟
共工氏(きようこうし)乱(らん)を起(おこ)し女媧氏(ぢよくわし)これを征(せい)し給ふ事
女媧氏(ぢよくわし)は伏羲(ふつき)の妹(いもうと)なり賢女(けんじよ)なれば伏羲(ふつき)崩御(ほうぎよ)の後(のち)群臣(ぐんしん)
推(すゝめ)て帝位(ていゐ)に即(つけ)奉る加之(しかのみならず)雲(くも)の鬢(びんづら)花の顔(かほばせ)窈窕(ようてう)とたをやか
なりければ見者(みるもの)心を動(うごか)さずと云ことなし其時 諸侯(しよこう)に共工氏(きようこうし)
康回(こうくわい)といふ者(もの)あり深(ふか)く卦爻(くわかう)を明(あき)らめ能(よく)神(しん)に通(つう)ず然(しか)れども
淫楽(いんらく)を好(この)み女媧氏(ぢよくわし)に恋慕(れんぼ)しけれども女皇(ぢよくわう)従(したがひ)たまはざるゆへ
遂(つい)に謀叛(むほん)して乱(らん)を作(おこ)す女皇は柏皇氏(はくくわうし)【栢は俗字】央皇氏(ゑいくわうし)を両 先鋒(せんぼう)として
大に戦(たゝか)ふ康回(こうくわい)幻術(げんじゆつ)を行(おこな)ひ河水(かすい)天に漲(みなぎ)り女皇の人馬(じんば)利(り)を
失(うしな)ひ康回(こうくわい)水上を駆(かけ)ること飛鳥(とぶとり)の如(ごと)し柏(はく)皇 央(ゑい)皇は水に浸(ひた)り進(しん)
退(たい)きはまる所に南方(なんばう)の諸侯(しよこう)に祝融(しゆくゆう)といふ老人(らうじん)能(よく)天 文(もん)地理(ちり)を極
其 術(じゆつ)康回(こうくわい)に勝(まさ)りけるが女皇の軍(いくさ)利(り)あらざる事を悟(さと)り山上
に至(いた)り杖(つゑ)を以て教(おしへ)救(すく)ひしゆへ官軍(くわんぐん)危(あやうき)をのがる康回 怒(いかつ)て祝融(しゆくゆう)
を射殺(いころ)さんと矢(や)を放(はなち)ける時 祝融(しゆくゆう)忽(たちまち)白 鶴(つる)に化(け)し飛去(とびさり)再(ふたゝび)祝融
三万 余騎(よき)を領(りやう)し康回を責亡(せめほろぼ)し天下大に治(おさま)るとなん