翻刻
安永八亥年十月二日関東えも灰降木の葉に積り候
其外西国筋は所によつて二三寸宛も灰降る其節
薩州嶋焼候由屋鋪え注進申来左の通
当十月朔日鹿児島よりハ海上壱里直前桜島の
上之方ゟ八半時ゟ鳴動大煙立候此煙初発ハ申さハ
葉竹の如くにて上にのほりてハ綿のことく白く散
乱し石を飛す其岩の大きさ三畳敷程ツヽの
大石也其いきほいのすさましさ光の夥敷
恐ろしさ翌二日朝向て左の方へ二口煙立|垂(タレ)水
国分の方一面にくらく石降灰降四五尺程積り嶋の
人々男女老若怪我人多石当打殺さる者あり
又嶋より鹿児島え逃出とて舩にて眺むとある人
声鳴音其気色等いか斗おそろしくて同四日鹿
児島へ灰五分程も積り漸く天気晴なれ共雨の
如く灰サーとふり量り候
全躰当九月廿九日晩方地震度々五日迄ハ同事ニ而
庄内の方えハかる石ふり庄内ハ桜島より道法十三
里有之