翻刻
しに引かけて文永十一年こそ我
君仙洞万歳のはしめなりしか
やこの一両年はたえたりつる御
桟敷の御幸の儀もまためてた
かたしけなかりしに華山院前右
大臣けいめいしてまいりまうけらる
殿上人一人実俊卿いまた中将に
てつかまつる北面御随身御壷の
召次御牛かひまても先院のみゆ
きのありさまつゆもかはらす
涙おもかけにうかみておかみたて
まつる事のいのちなかさもうれ
しのあまりに末の代のもてあ
そひにもとてむかし物かたりにも
つねのりかゑ道風かことはなれ
かきつたへたれはなましひに
そのあとをたつねてけふのわら
はれくさにはなりはへる
へし