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翻刻
【右丁】
殷冨門院大輔(いんふもんいんのたいふ)
見せはやな
をしまの
海士(あま)の
ぬれ
にそ 袖だ
ぬれ にも
し
色(いろ)は
かは
ら
ず
【左丁】
九十番
此心はをじまはおう州【奥州】の名所なり
あまの袖はめかり【和布刈=わかめを刈り取ること。】しほくみにいとま
なければほすひまもなし此故に
いつもぬれてかはかねとも色のかはる
程にはなしわがそではたえぬな
みだもほしあへずぬれたる上
になを色のかはれるよとなり
是ちのなみだをながしける
といふ心也かゝるありさまをつら
き人に見せばやなとよめる也
【画面左側】
歌川
豊国【國】画