翻刻
【右丁 絵図】
其六
卅番
卅二番
卅三番
卅一番
【左丁】
とも護國寺(ここくし)に給ひ大塚(おほつか)護國寺(ここくし)の内(うち)に迁(うち)し江城(こうしやう)護持(こち)の御祈(こき)
願所(くわんしよ)となさしめられ筑波山(つくはさん)兼帯(けんたい)す坊舎(はうしや)日輪院(にちりんゐん)月輪院(くわちりんゐん)と云(いふ)あり
山開(やまひらき)《割書:毎年(まいねん)三月廿一日 弘法(こうほふ)大師(たいし)の御影供(みえいく)修行(しゆきやう)あり此日(このひ)諸人(しよにん)に庭中(ていちゆう)の|林泉(りんせん)を見(み)する》
神齢山(しんれいさん)護國寺(ここくし) 悉地院(しつちゐん)と号(かう)す音羽町(おとはまち)の北(きた)にあり新義(しんき)の真言(しんこん)
宗(しう)にして和州(わしう)長谷(はせ)小池坊(こいけはう)に属(そく)す開山(かいさん)を亮賢(りやうけん)僧正(そうしやう)と号(かう)す公(おほやけ)より
寺領(しりやう)千二百石を附(ふ)せられ盛大(せいたい)の地(ち)なり《割書:古鹿子(こかのこ)に云(いふ)寺領(しりやう)三百石|大猷公(たいいうこう)守(まもり)本尊(ほんそん)馬脳石(めのふせき)観音(くわんおん)》
《割書:像(さう)開基(かいき)|とあり》
本堂(ほんたう)本尊(ほんそん)如意輪(によいりん)観世音(くわんせおん)《割書:瑪脳石(めのふせき)にして天然(てんねん)のものなり元禄(けんろく)半(なかは)の頃(ころ)|前川(まへかは)三左衛門 入道(にふたう)道寿(たうしゆ)といへる人 異邦(いはう)に渡(わた)り》
《割書:持(ち)し来(きた)りしを黄檗(わうはく)隠元(ゐんけん)老師(らうし)の弟子(てし)黒滝(くろたき)の潮音(ちやうおん)前川氏(まへかはうち)と師弟(してい)の縁(えん)ある故(ゆゑ)に潮(ちやう)|音(おん)に授与(しゆよ)す其後(そのゝち)故(うゑ)あつて桂昌(けいしやう)一位(いちゐ)尼公(にこう)崇敬(すうきやう)し給ひし由(よし)事跡(しせき)合考(かうこう)に見えたり本堂(ほんたう)》
《割書:の柱(はしら)を猿柱(さるはしら)と云て木理猿(もくめさる)の面(めん)に等(ひと)し|》
薬師堂(やくしたう)《割書:本堂(ほんたう)左(ひたり)にあり本尊(ほんそん)薬師仏(やくしふつ)は昔(むかし)當寺(たうし)草創(さう〳〵)の時(とき)此地(このち)蟹(かに)か池(いけ)より出現(しゆつけん)ありし|霊像(れいさう)なりといへり今(いま)の本尊(ほんそん)薬師仏(やくしふつ)の胎中(たいちゆう)に収(をさ)む左右(さいう)に十二 神將(しんしやう)の像(さう)を置(おけ)り》
西國(さいこく)三十三番(さんしふさんはん)順禮(しゆんれい)札所(ふたしよの)写(うつし)《割書:本堂(ほんたう)より西(にし)の方(かた)の山間(さんかん)にあり天明(てんめい)年間(ねんかん)深林(しんりん)を伐(きり)|開(ひら)き各(おの〳〵)其地(そのち)の勢(せい)に因(よつ)て俤(おもかけ)を模(うつ)す四時(しし)草木(さうもく)の花(はな)絶(たえ)す》
《割書:して諸人(しよにん)の眼(め)をよろこはしむ|》
歓喜天(くわんきてん)《割書:境内(けいたい)寿命院(しゆみやうゐん)に安(あん)す桂昌(けいしやう)一位(いちゐ)尼公(にこう)尊信(そんしん)の本尊(ほんそん)なりとそ永代(えいたい)不退轉(ふたいてん)に|天下(てんか)安全(あんせん)の浴油(よくゆ)の法(ほふ)を修(しゆ)せしめられ寺産(しさん)を給ふ》