東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 6

増補職人往来 - 翻刻

増補職人往来 - ページ 3

ページ: 3

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【右丁】 ○武家(ぶけ)は大名小名に至(いた)るまで との様(さま)といふつねに智仁勇(ちじんゆう)の 三ッをもつて国家(こくか)をおさめ文(ぶん) 道(どう)をまなび理非(りひ)のふん明(めい)を 正(たゞ)して慈愛(じあい)をもつて民(たみ)を 撫育(ぶいく)し天命(てんめい)をわきまへて敵(てき)を くだく事を要(よう)とすこれを良(りやう) 将(しやう)とも名将(めいしやう)ともいふなり ○百姓(ひやくしやう)とかきておんたからと読(よむ) ことなりあまたの民(たみ)をいふ事 なれども今は耕作人(くうさくにん)ばかり を百姓(ひやくしやう)と思へり此/業(わざ)はわきて 手(て)まめ心まめなる人の田畠(でんはた)は下(げ) 田(でん)にても上田(しやうでん)のごとく実(み)のり五(ご)こく 豊饒(ぶねう)のさうをあらはし天下(てんか)を おだやかになさしむる大/業(ぎやう)なり 【左丁】 ○士農工商(しのうこうしやう)みな職(しよく)人なれ共今 は工人(こうじん)ばかり職人といひならはせり 番匠(ばんしやう)鍛冶(かぢ)其外一さいの上手(じやうず)たる ものは上つかたの器用(きよう)をおさめ あるひは受領(じゆりやう)など給はるゆへに 其わざを称美(せうび)していふなるべし されば其家(そのいへ)に生(うまれ)たる人は能々(よく〳〵) 心をいれ後世(こうせい)に名(な)をてらすべし ○商人(あきうど)はそれ〳〵の品(しな)を職人(しよくにん)の こしらへたる物(もの)を買取(かひとり)てその あはひを取(とる)をもつて家職(かしよく)とす されば正直(しやうじき)をたてゝ高利(かうり)を貪(むさぼる) ことをせざるをよしとす偽(いつは)りを いひて人をたぶらかすをかしこし と思ふは欲(よく)といふものゝなす事 にて甚(はなはだ)あやふき世わたりなり