翻刻
暮雪 黒岑山の雪の夕くれ
飯田 しなてるや春の日なかき長浜に
夕照 長橋わたる往来久しき
蛸嶋 帆につれて家路へ戻る釣舟の
帰帆 いそく心も長浜の浦
雲津 雲井より雲津に落る雁金の
落雁 行衛も遠く白浪そ立
鵜飼より一里拾六町上りの馬次也本馬五十八文
松波 軽尻四十壱文人足廿文也家数三百軒余有
此郷の大村にて昔の城下也
此村は枩波常陸介とて畠山類葉の領地六万石の城下
なりし也天正の頃謙信勢の為に落城せり城山は北の
川向の松山也風景の地也此筋目とて福歩院とて百
姓にあり又積宝山満福寺とて禅宗有大寺にて
則常陸介位牌木像有其頃菩提所の時は地方三百
石寺領有し也又枩岡寺とて西方浄土真宗の院家