翻刻
谷内にあり今は寺なく観音塚といふて昔は海鹿(イルカ)の
観音とて谷内へ入海し入鹿多集り大猟せし也今
地名に海鹿田蟹田抔としてあり此くわんおんは行基の作
にて中居へ盗み行しゆへ中居に海鹿多く取かと所に
いへり今は六月七日祇園会の御旅所也両城山続き風
景也中にもいひすの端とて蛭子の御神社あり此辺
わけて風景也又上野柳田村抔へ行に上の長坂といふを
とり本郷へ壱里九町有岩井へ壱里十町又は本郷村より
久田へ三拾三町有是は末は外浦上巻に記有
■なる雪の道をたとりて
松風の音あらわれて雪の山
旅心とて師走市にふら〳〵と
年の瀬に我友もあり生海鼠かな
又宇出津より輪島へ当目越するは曽又村へ壱里卅四町
曽又ゟ当目村へ弐里十七町当目ゟ輪島へ三里住拾五町あり
此往来村々あり宇出津ゟ壱里に宇賀塚村とて有
昔は七堂伽藍の天台の大寺ありて此郷を寺領せしに
旧跡あり常連坊大蔵坊とて七坊の跡あり経塚