翻刻
時なしと其時聖人信仰恭敬して感涙をの
こふ目をひらく時は又もとのことく女人の貌をな
して周防のむろつゝみを出す眼開時は又菩薩
の形を現して法文を演ふ如此する事数ヶ度
聖人なく〳〵退帰ときに件の長者俄に立て
閑道より聖人の所にをひ来て云口外に及へ
からす即逝去す時に異香室にみてり長者頓
滅の間遊宴興をさませりといへり
書写上人は六根清浄を得たる人なり此時は
客人来段せり対面の間客人懐中に蚤(のみ)をひね
る時聖人云いかにさは蚤をはひねりころさんとし
給そ時大に慙愧し給ふ客人おとろきて退去
と云り
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大御室( 性信)は御寿命十八歳をかきりたる由宿曜の
一勘文に見えたるによりて十八歳の春梅法を
修して祈らせしめ給間或人の夢に横魔王宮
火付て巳焼やらとする同王宮大に騒動件寿
一命十八のよし札の文に巳明白なることいへとも炎上難
治日よりて八の字を上へ釣られたると見えたり
略して八十の御歳九月廿七日入滅し給ふ
と云々と々日々少々
一同御室は世間に疾病おこる時はひそかに御在所