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【OCRのまま】
一物姫君姫君姫処今すてよ如此衛門又夢中一
云官は右大臣まてありしかとも奉公の労に
よりて左にいたりたり命をはあしく見たり
八十七歳也果して件年薨逝せり其後か
の正面の東間をは人以テ進士の間と号す
今栗在衛公ハ中納言藤原山蔭の孫組馬介
有頼朝臣四男実は大僧都如無の子也囚
融院天禄元年正月左大臣に任す十月十日に
薨ス或本ニハ七十八とあり
【性空上人】
播磨国書写山の性空聖人生身の普賢菩薩
を見奉らん事を祈請す夢の告ありて云生
身の普賢を見むと思はゝ神崎の遊女の長者を
見るへしとよて喜なから神崎に行て長者の家
を相尋る家に只今京より上りの輩集り来て
遊宴乱舞の間也長者も横座にゐて鼓を
打て乱拍子の上句をうたふ其詞云周防むろ
つみのうちなるみさら井に風はふかねともさゝら波立
その時聖人奇異の思ひを成て睡眠する時
長者忽普賢の貌を現して六牙の白象に
のりて眉間より光を出して道俗を照す期微
妙の音聲をもて唱て云実相無漏の大海に
五塵六欲風は吹され共随縁真如の波たゝぬ