翻刻
一凢《割書:サア|ヱヽ》日本六十余列せかいひらけてかしまの神のすへたかんじんかな【破損・「め」の可能性あり】の石も時とじせつはさてぜひもなやころは安政二つのとしの神はいづものおるすをめがけ大地八まんならくのそこにいけたなまづのまだうごめきていかりてひどきこんどのぢしんよるの四つどきにはかのさはぎお江戸三千六百余丁四里と四ほうをみなゆりくづしどことかぎりはあらおそろしや所は千じゆに又小づかはら西は新宿いたばしかけて東ふなばし南の方はこいのみなとの品川までものこるかたなきぢしんのさはぎ老(おい)もわかきもたゞ一どうに大事よぢしんといふ間もあらで天地しんどう風なまぐさくすなをふきあげ小石をふらし神社仏閣(じんじやぶつかく)
どうみやがらんのきをならべし其いへくらはこなのごとくにみなとびちりてくづれかさなる者すさましく右よひだりとにげゆく人はおやをうしないつま子にわかれにげるさきさへあらなさけなやはりに打れてかしらをくだきかべにうづまれ身ほねをおられまなことびだしちへどをはいてしぬるいまはの身は時鳥こゑもかれのになくむしよりもほそき命やあさ日の霜ときへてゆく身のかなしさこはさくづれやけたる其町かずをこゝにあらましかぞへて見れば花の廓(くるは)の吉原かけてさんや田中ニ【送り仮名】田町をはじめ人の山なす其山の宿これはどうせう聖でん町にしばゐ三丁火の花川戸つみもあさくさきんもう山のいともとうとき