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コレクション: STAGE2

安政見聞誌抄 - 翻刻

安政見聞誌抄 - ページ 31

ページ: 31

翻刻

 送る容なんど実に嘆ても余り有他邦の人は是を知らさる  ゆへ爰に記す予ハ眼前見る事なれハ其大数を量るに  概ハ違ふへからずと云爾 一御府内ハ火災を脱れん為に住居等迄塗家又ハ土蔵造となす  されハ倉の多き事此地に限り他国に有事なし就中倉の数  多なるハ荒布橋より四方を見るに此所より倉の数を見る所は  又他所になし然るに建屋の破損ハ眼に止らされとも震崩揺落  し土の散乱せし体ハ実に嘆息に余れり勿論土蔵に一ケ所も安  体なるハなしといへとも如斯体ハ又珍らしけれハ爰に記して他境  遠国の人にしらしむ斯る所に異変有ハいかにせん火災なか  りしハ又《ルビ:倖福|しあわせ》といゝつへきのミ 一抑遠き昔の事ハ諸書に出るといへとも当代の老人猶定かに知る  ものなしまづ三十年来の事ハ眼前に見る所なれバ諸人疑ふ  心も有へからす前代にいまた聞かざる儀の粗を爰に記す〇文政  十二寅年五月壱朱銀通用始り〇天保三辰年二月弐朱金通  用始り同六年未七月百文銭通用始り〇同七申年諸国不作  三月頃百文ニ付米弐合八勺《ルビ:飢死|うへしぬ》もの尤多し是より前七十五  年以前天明三年にハ百文ニ付三合又同七未年ハ百文ニ付四合