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コレクション: STAGE2

安政見聞誌抄 - 翻刻

安政見聞誌抄 - ページ 34

ページ: 34

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 のことく降懸候ゆへ右喜兵衛申候ハ我等ハ浅草ゟ帰路にて我家の  治定計りかたく候へ共危急の儀捨置かたく候ニ付一旦我方へ引取  其上左右相成可申旨申ニより一同安心いたし覚泉院等三人共介  抱いたし喜兵衛方へ連退《ルビ:稍|やゝ》安心致居候うち右かね儀ハ其身の  苦痛さへいとハず養生いたさせ候内種〻心配喜兵衛方の雑事迄  相助け其後親類方へ引取候迄の誠忠御感のあまり銀十五枚御  褒美被下右助右衛門喜兵衛吉五郎等ハ召出しにて御ほめに預  りたり如斯誠忠実情等ハ後世の鑑なるゆへ爰にしるす 一下谷御数寄屋町搗米屋藤兵衛下人与助といふもの右地震にて    主家ハ大破損なる上近火にて《ルビ:同士|はうハい》等狂気の如く成間右与助  ハ我所持の品〻鼻紙一枚迄残りなく一包となし主人同士にも  告す其侭本国野州阿久津へはせかへりけり是いかなる心そや  譬地震火災を恐るゝ共其夜計りハ主家の助力をなし  次日一同へ子細を告り暇迄して返る共遅きにあらす右かね  女と此与助か行状を以見るに主を救ふと捨ると黒白の論  ともいふことならん 一竹葉舎金瓶説話凡世界の内不思議有か故に神仏の加  護天の感応等有て禍福去来し勧善《ルビ:懲悪|ちやうあく》自然に備ハる