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コレクション: STAGE2

安政見聞誌抄 - 翻刻

安政見聞誌抄 - ページ 37

ページ: 37

翻刻

 大きなる故大名衆の目にも留らハ幸ひならんと居へ置し  も鉄を吸ハねハ只の石也定めて多くの年を経たれハ自然  其気の薄くなりたる歟大きなる損毛そと心よからす更る  夜の四ツ時の大地震なり其後彼石に鉄を吸ハすに元の  如くに付によつて大地震有其前にハ磁石鉄を吸ハさるを  発明せしとの咄しなり 一御蔵前の水茶屋にて或人駕籠に乗り来り休息の後腰掛  より又乗出すその時に駕籠《ルビ:舁|かき》杖を建たる跡より水少し  《ルビ:湧|わき》出しか亭主不思議ニ思ひけれハ息杖の穴を掘《ルビ:穿|うかつ》に水  ます〳〵吹【吐を訂正】出し其日の内に地辺を《ルビ:湿|うる》ほし駒下駄なら  でハ歩行かれず依之井戸?を伏しと也然るに此場所は  御改革前喜八団子の庭にして堀井戸の在たりしか取  払ひに成たる節埋立し跡のよし是地震前地気満て  古き水筋水気増て斯吹出しものと覚ゆ其外に諸所  井戸の水増たる話し多く聞バ心得有へき事なりけり   因に云信州の咄しを聞に地震後井の水減少なし呑   水を争ふか故《ルビ:懸守|あかたもり》より役人出井戸毎に付添て一人を   して一ト手桶ツヽ順を立て汲せしとかや是又土地の替る故