翻刻
松板数千枚被進之候由此御入用御手元御納戸金にて出候由
其外御門前四ヶ町之者共焼失其外住居揺潰れ必至の難
渋たるへきとて即日御取調有之御国米五斗二升入壱俵ツゝ軒
別に御恵ミなしくたされ又町役の者番人并鳶人足等へハ
金弐歩ツゝ添てくたさる前年より武家かた御倹約の折柄なるに
右のことく数多の財宝を施し多人数の艱難を救給ふ事
難有も益とて感激に施るのミこゝに柴井町の住居画草紙
渡世をなせる何某なるもの右御救を頂き深く悦しか類焼
後いまた住居もなく些に戸障子をもつて雨露を凌く斗りの
舎を拵へたるに慈愛の御贈ものなるゆへ廉略なりかたく外方へ
預けんと頼ミけるに荒乱之節にて預り人なきゆへ詮方なく
狭き囲ひ内へ入れ昼夜其上に座して是を守る友人これを
見て俗体の大黒尊也と笑興しける是ひとへに大守よりの
倖福による所と称すへき事なり
一施行人
白米五升 ろ組十町中江又独身者江七升 新右衛門町
家主其外町役人江金百疋ツゝ 河村伝左衛門
元四日市町水菓子渡世
平左衛門
市兵衛