翻刻
【右丁】
野胡蘿蔔(やこらふく)《割書:集|解》
のにんじん
わさびにんじん
さつまにんじん
くさにんじん
やふにんしん
《割書:■衣と同名|異物なり》【注】
わさひでの
かうほん
ケレホリュム《割書:羅|甸》
ウイルテケルフル
荷蘭
【左丁】
二種あり大葉の物(もの)は和(わ)州 金(こん)
剛山(かうさん)及(およ)ひ相州 鎌倉(かまくら)に自生(しせい)
あり冬月(ふゆ)宿根(ふるね)より生(せう)す川芎(せんきう)の
葉(は)に似(に)て薄(うす)く淡緑色(うすみとりいろ)一根
叢生(さうせい)す春月に至(いた)り五六葉を
抽(ぬきん)す枝葉(しやう)互生(こせい)し枝梢(ゑたのこすへ)ことに
傘状(さんしやう)をなして五弁の白花を
多(おほ)く攢開(さんかい)す後実あり円(まるくし)て
長(なか)く両角(れうかく)相合(あいかつ)し熟(しゆく)すれは黒
色なり根(ね)は胡蘿蔔(こらふく)に似(に)て
【右行文末の「似て」の横】・▭
・▭短(みしか)く岐(また)多(おほ)し白色
にして軟(やはらか)なり胡蘿(こら)
蔔(ふく)の香気(かうき)あり味
ひ苦(にか)し
大和本草(やまとほんさう)
に食すへし
性味(せいみ)葫(こ)
蘿蔔(らふく)に
劣(おと)れり毒(とく)
なしといへり
【注 ■は「艹+耒+咼」。コマ40の「■(穴+耒+咼)衣」=「やぶじらみ」は「やぶにんじん」の異名(確認資料:『日本国語大辞典 精選版』(小学館))。】