翻刻
【右丁】
水芹(すいきん) つみましくさ ねしろくさ《割書:蔵王|集》 せり
水勒(すいろく)《割書:本草和名|引釈薬性》 楚葵(そき)《割書:同書引|兼名苑》 ヱツペ《割書:和|蘭》の類
茎(くき)葉(は)根(ね)皆(みな)食(くろ)ふべし葉(は)は芎藭(きう〳〵)に似(に)て短(みしか)くして厚(あつ)く茎(くき)長(なか)し春月(はる)茎(くき)高(たか)さ一尺 余(よ)梢(こすへ)に傘状(さんしやう)を
なして小白花を開(ひら)く水陸(すいりく)を分(わかつ)て二種となしおうぜりたせりとなすは誤(あやま)りなり集解(しつかい)にも旱(かん)
芹(きん)水芹(すいきん)の二種を出(いた)すは穏(おたやか)ならす本芹(もときん)は一品にして水(みつ)にも陸にも生(せう)す水に生すれは色(いろ)青(あを)く
根(ね)白し蘇恭(そけう)の説(せつ)に荻芹(てききん)といふ救荒本草(きうく▢[はヵわヵ]うほんさう)に秋芹(しうきん)に作(つく)る陸(りく)に生(せう)する物は茎(くき)紫色(ししよく)なり
一種 うだせり
作州(さくしう)にあり水中(すいちう)に生(せう)するより葉(は)細(ほそ)くして茴香(ういけう)の如(こと)し根(ね)白色の鬚根なり土人食用す味(あしは)ひ
水芹の如(こと)しといふ
【左丁】
菫(きん)
蘇恭(そけう)の説(せつ)に葉(は)《振り仮名:似_二蕺菜_一|しうさいにゝて》《割書:とく|たみ》花(はな)紫色(ししよく)といふはつほすみれにて救荒本草(きうくわうほんさう)の
菫々菜(きん〳〵さい)なり劉禹錫(りううしやく)の説(せつ)に葉(は)《振り仮名:如_二細柳_一|さいりうのことく》子(み)《振り仮名:如_レ米|こめのことし》といふはすみれにて紫(し)
花地丁(くはちてう)なり二種ともに隰草部(しつさうふ)に図(つ)をいだす【注】
紫菫(しきん) やぶけまん むらさきけまん のぜり《割書:大和|本草》
ヒユマリア《割書:羅|甸》 アールトロウク ドイヘケルフル《割書:荷|蘭》
地錦苗(ちきんへう)《割書:救荒|本草》
隰草部(しつさうふ)青葙(せいさう)の附録(ふろく)陳蔵器(ちんさうき)説(とく)ところの桃朱術(とうしゆしちゅつ)是(これ)なり又 華夷老(くはいろう)の文蔵(ふんさう)
【注 「つほすみれ」「紫花地丁」は「本草図譜. 巻19-21」のコマ47に記載有】
【十三行十九字目~「茴香」のルビ「いけ」は別の字の上から書いている】
【文中の「菫」は下の横線三本が二本になっている】