翻刻
【右丁】
蔊菜(かんさい) いぬからし のからし たんこな《割書:江|戸》 にわだいこん《割書:尾|州》
をとこなすな《割書:羽州|米沢》 水芥菜(すいかいさい)《割書:救荒|本草》
蔊菜(かんさい)二説(にせつ)ありいぬからしは山野(さんや)或(あるい)は園圃(ゑんほ)の中(うち)道傍(みちはた)湿地(しつち)甚(はなはた)多(おほ)し宿根(ふるね)より
生(せう)す葉(は)は家芥(かたい)《割書:から|しな》に似(に)て頗(すこふ)る小にして黒色を帯(を)ふ夏秋(なつあき)の間(あいた)高(たか)さ四五寸
より一尺 許(はか)り花穂(はなほ)をなし四弁黄花を開(ひらく)形 芥(かい)《割書:から|し》に似(に)たり後(のち)細(ほそ)き莢(さや)
を結(むす)ふ長(なか)さ四五分 葉(は)の味(あしは)ひ甚た辛(から)し熟(しゆく)して食(くらへ)は頗(すこふ)る美(ひ)也 根(ね)細(ほそ)くして
長(なか)し油(あふら)にて熟(しゆく)して食(くろふ)へし此物(このもの)時珍(しちん)の説(せつ)に符合(ふかう)す
一種 すかしたごぼう ちりめんな ケムカシ《割書:蝦|夷》
モスタール《割書:荷|蘭》 風花菜(ふうくはさい)《割書:救荒|本草》
前条(せんしやう)水芥菜(すいかいさい)の属(たくひ)にして海浜(かいひん)沙地(しやち)に生(せう)す苗葉(なへは)大にして花叉(また)多(おほ)し但(たゝ)
角(さや)水芥菜(すいかいさい)より短(みしか)し此物(このもの)時珍(しちん)沙地生者(しやちにせうするもの)と云これなり
【左丁】
蔊菜(かんさい)
【五行十三字目~「山野」の「野」とルビ「さん」は別の字(ルビは「やま」ヵ)の上に書いている】
【十五行十五字目「生」は別の字の上から書いている】