翻刻
白山宮あり是日乗上人の石動山より仇をなせし時
御伯父芝原将監此所に隠置まいらせしとて御神躰は
上人守護神御長三寸の白山妙理大権現の黄金
の尊像也至而《見せ消ち:寄|奇》瑞あり日乗上人は御年百十四才
にて 六月廿六日に遷化ありしなり瑞徳不思義
なる上人なりしといへり
又此上人の弟子の内石動山より一味して却而上
人に仇をなせし有しに是も不叶して夜中寺
の什宝造具を舟に運ひ今に越前国敦賀郡に瀧
谷寺とてあるよし
又聞昔は又瀧谷寺は真言宗にて鳳至郡大屋の庄
吼木村の山中にありて吼木の根本にて弘法大師の
開基寺なりしとて今に瀧谷と地名に呼ふ所に
大寺の跡あり大木の槻木弐本あり今に礎まて有
寺弐ヶ寺の跡あり山中にて盗賊の難ありて
芝原将監と乗徴阿舎利心を合して今の羽
咋郡へ移し給へりといへり又壱ヶ寺は内の浦へ
替地して吼木山法住寺なりと吼木村に云ひ