翻刻
院僧徒集り当住の官主を輿に乗せたまわらせ
客殿より開山堂まて音《見せ消ち:閑|楽》哥舞にて行例あり
僧徒供奉し中にも山伏の姿にて螺貝を抔
吹きて供奉するもあり是等は則昔の《見せ消ち:枲|乗》徴阿
舎利の古式なり近国参詣ありて賑敷事也
又向の山に《見せ消ち:改|蚊》寄の八幡とてあり是は此忌講の日
の夜乗師蚊を《見せ消ち:対|封》し給ひし事ありて寺中の
蚊不残此八幡の拝殿に行ておらす依之蚊寄
せの八幡宮といふ此忌講に町村の武右衛門千路村の
柳屋といふものは古き百姓にて由縁有て拝礼
に出る也宗は浄土真宗なり又二ノ宮村に北左衛門加賀左衛門
とて有是は石動山より仇なせし時一命にかけて
御味方せし者とて是も拝礼に出る也七八町奥
に元瀧谷といふ所に薬師屋敷とて有御隠居
の跡なりといへり元より此日乗上人は瑞徳甚しき
上人にて今に瀧谷村に産婦のあやまちなし
厄神祟りなし又七面の社は向の山四五町に有
霊験あらたなり又一里山おくに大森といふ恐敷所に