翻刻
又留木之里釼地村へ行には三町計に中浜とて入浜
あり秋末は風あらく難所也相神村近し弥五郎
とて御領分一の御扶持人上嶋氏の十村有しに
近年退転せり又酒見村近し龍護寺とて禅宗
あり五百羅漢の木像安置なり又境内に龍護水
とて冷水あり此水に作れる美酒村にあり
冨木より弐里の間八百比丘尼の《見せ消ち:桎|植》し
とて椿原あり通ることに花の咲なれは
ぼつ〳〵と八千代をかけて咲椿
案に若狭の白比丘尼の旧跡所々に有
是は伊せの国白子の駅の産あるに
白比丘尼ともいへり又八百比丘尼ともいへり
又越中黒部の庄玉椿といふ所の産
共いへりいかにも長生して八百年のこと
をしれりいつれにも廻国して常は若
さの国白椿山に有しとて今に絵
像有手に椿の枝をもちて有其外