翻刻
に連任(シメ)原とて有家四五軒あり此村より往来の峠へ
出るなり
又留木より大福寺迄平地也是ゟ釼地まては峠なり
此峠の谷内にある村を岡谷村といふ是まて羽喰
郡冨木院也是よりはふげし鳳至郡仁岸の郷なり
若葉其をわけつゝ行は錦着て
といふ古ことを思へは我も家に
帰らぬと此峠を通折から
錦なら家産にせんもみちかな
冨木より三里廿五町本馬百廿文軽尻
釼地 七拾七文人足三十八文此駅より駄賃違
あり鳳至郡なり
家数弐百軒計有鉄の針金出来して日本の第
一の名物也此始りは此村に何方の者ともしれぬ
若き男来て入聟となる此者釼を能うち出
せり併此者《見せ消ち:油|細》工所をかたく人に見せす妻不思義
に思ひものゝすきより覗き見れは其形り鬼神