翻刻
又此寺口より内浦穴水乙崎への往来は上使道にて
往還也道下より本市村にて馬次也本馬壱里
一町余本市ゟ荒屋村にて馬次也弐里弐十六丁荒
屋ゟ小又村へ壱里七町小又ゟ穴水へ壱里也本市より
荒屋の間内保村とてあり散村に毛屋といふ所
あり気邪(クヤ)大王権現あり此御神天丘磨伽佗国
より我国丹波の国へ飛来り給ふ御神なりしに
栄山和尚の瑞徳によつて此所へ跡を垂給ふ有社
地は道脇の田の中にあり色々奇瑞あつて
今の社地へ移し奉るとあり其時ゟ宮寺の子
孫とて百姓に丹波といふものあり惣持寺より
五俵宛扶持あつて今も宮の才許する也総
持寺鎮守の宮也又宮川とてあり此氏神は仁王
尊也則小名に仁王堂といふわきに願正寺とて
浄土真宗あり是も昔は天台宗にて色々古仏安
置あり又荒屋村に人隠しとて奥深き谷あり
原村に三郎左衛門とて利家公ゟ御扶持頂し山廻