翻刻
円山より三拾四町本馬四十五文軽尻
縄又 廿七文人足十三文此村九ヶ所へ別れ
家数九十軒計有
此村も山里にありて秋の末は長井縄又とて
泥道にて悪敷堂坂とてあり坂のおりとに
とふ坂橋とて長七間の橋有此辺より輪嶌の
海上を見落し春は桜秋は紅葉難所といへ
とも詠にあかぬ所也川上半道計に別所谷村
とてあり此川縁に神明宮ありじゅう川中にまないた
石とてあり此石の上へ祭礼十一月十五日に鮭のうを
あかりて死て流此魚を咋へは罹以病に成とい
へり此事は山田龍大明神にもあり不思義にも
寄持【奇特?】なることなり此村に成隆寺とて法花宗あり
此村続き吼木村荒屋村貝抔村抔へ出申居穴水へ
出る也又瀧又村別所谷村続きなり専照寺とて
浄土真宗の大寺あり
此山道を越る折から歩行のまなら
さるをおもへは我もはや初老のしるし