翻刻
【右丁】
[かゐこやしなひ草 第十二]
扨 縫針(ぬいはり)のはじめは
いづれといふことを
しらねとも衣(い)
裳(しやう)の製(こしらへ)しより
道なるへし唐(とう)
の大昊(たいこう)と申
帝(みかど)九針を作
といふ又 礼記(らいき)
のうちに針
に紉(をつけ)て縫(ぬは)ん
とあり我(わが)
朝(てう)大己貴(をゝあなむちの)神
活玉依姫(いくたまよりひめ)に
通(かよひ)給ふ時父
母しらんとて
績麻(うみを)を針
を以て神人の
短裳(もすそ)に《振り仮名:係|□け》て
旦(あした)糸(いと)のすじを
尋(たづね)もとめしに
三諸(みもろ)山に留ると
いへり
【挿絵内】勝川春章画
【左丁】
さいしき摺頭書
源氏百人一首錦織
出来仕有之候御求
御覧被下候様ねかひ
上候已上
天明六年丙午正月吉日
東都日本橋南三丁目
書林 前川六左衛門版