翻刻
【右丁】
[かゐこやしなひ草 第六]
蚕まゆを作る
時をはい子と
いふ広き蓋の
類に椎柴など
の物を敷入てひ
きりたる蚕を
置て藁をおゝ
ひにしてまゆを
張すなりさて
四五日もして
のちまゆを
一つつゝもぎ
はなして
取なり
まゆ張物を
蔟(ぞく)と
いふ
なり
【挿絵内】春章画
【左丁】
[かゐこやしなひ草 第七]
蚕種(かいこたね)を
とることは
蔟物(まゆはるもの)より
取時(とるとき)形(かたち)の
よき蚕(かいこ)をゑらん
で
糸(いと)にてくゝり
釣置(つりをけ)は蛾(ひゞる)の
蝶(てふ)になり
出る
牝牡(めを)を一つに
して
紙(かみ)に
移(うつ)し
置(をけ)ば
段々(だん〳〵)子(こ)を
産付(うみつけ)る
なり
これを
うは子
と
いふ
【挿絵内】北尾重政画