翻刻
【右丁】
[かゐこやしなひ草 第八]
蚕(かいこ)糸(いと)をはき
おはりて
蛾(ひゞる)の蝶(ちやう)に
なりて
飛(とぶ)
これを
蚕蛾(さんが)と
いふなり
【挿絵内】春章画
【左丁】
[かゐこやしなひ草 第九]
生繭(なままゆ)を塩(しほ)に浸(ひた)すこと
あり大きなる壺(つぼ)の内底(うちそこ)
に竹(たけ)の簀(す)を入 其上に
桐(きり)の葉(は)を敷(しき)又其上に
繭(まゆ)を敷(しき)ならべ又其上
に桐(きり)の葉(は)を敷(しき)て
ふりかけよく蓋(ふた)
をして上を泥(とろ)
にて塗(ぬり)ふさぎ
七日すぎて
とり出(いだ)し
釜(かま)に入 湯(ゆ)
の中(なか)より
篗(わく)にかけて
糸(いと)に
くり
取(とる)なり
【挿絵内】北尾重政画