翻刻
なから忘置申間布旨申聞候然所ニ
其身何之御奉公も不申上相果候果候
刻も右之段度々申出外の申置少も
不申候たゞ右之段失念仕間布由
計申候拙者迄ニも無御座中務大輔ニも
くれ〳〵申候中務義ハ失念仕候をも不存候
扨又拙者義不存寄伊与守家督被
仰付其上
大猷院様色々上意共御座候而御奉公
相勤候御好も被仰聞せかれニ御座候所ニ身ニ
不相応けつかう之 上意被 仰聞当分
せかれ故なに之わきまへも無御座候所ニ
年々
上意之趣存出又同姓古出羽守たへす
上意之段申聞候年々難有仕合共ニ奉存
父伊与守申聞候所もあつ〱存出一入身之
不届成所迷惑仕候迄ニ而罷在候
一 せかれと申何之御奉公も不申上所当
【頭注】
大安公之
思召難有事ニ候
此御書面相見候て
只落涙袖をしほる
より外無之我等も
将軍家之
御懇之
台命を蒙リ候
海嶽之
鴻恩已ニ
文恭公慎徳公又
御当代之
御懇命ニ浴候事
大安公ニまされり
大安公之
御徳にも不及して
如斯浴
御【治か?】化候事日夜恐入
毛骨竦【疎は誤記】然たり此上ハ
弥忠勤他日事あらハ
衆人ニ先つて尽力せす
んハあるへからす拙劣
頑愚恐入候也此御書を
見て泣かさるものは
人非人なり余り
公之思召奉恐察候へハな
くより外無之衆人亦仰
之
公之盛徳を感服し
我凡愚に砭りせんことを
希ふ也 慶永 花押