翻刻
【右丁】
一種
ひよふ
たんぼく
木忍冬(もくにんとう)
金銀木(きん〳〵ほく)
樹生(きたち)の物(もの)なり蔓(つる)をなさす灌木(きたち)なり葉(は)は忍冬(にんとう)に似(に)て
夏月(なつ)葉(は)の間に五弁(いつへら)の白花を開(ひら)き一日を経(へ)て黄色(きいろ)に
変(へん)す実(み)は一蒂(いつてい)二子(にし)熟(しゆく)して紅色(あかいろ)なり或(あるいは)此実(このみ)毒(とく)ありと云
然(しかる)に木半夏(もくはんけ)《割書:なつ|くみ》に誤(あやまり)て食(しよく)せし者(もの)ありしに毒(とく)にあたらす
【左丁】
甜藤(てんとう)《割書:甘藤|附録》 ゆきかづら つるてまり あまさけかづら
野州 日光(につくはう)信(しん)州 木曽(きそ)山中にあり藤蔓(つる)鬚(ひけ)ありて木皮(きのかは)に粘着(ねんちやく)す葉(は)円(まる)く歯
歯【歯衍ヵ】あり亀甲(きつかう)の如(こと)く対生(たいせい)し枝梢(ゑたのこすへ)に花(はな)毬(きう)を生(な)す中に小白花 白蕊(しろきすい)集(あつま)り開(ひら)
き囲(めく)りに四弁(よへら)の白花(はくくは)を開(ひら)く山人 此蔓(このつる)を爛(たゝらし)其汁(そのしる)を呑(のむ)味(あしはひ)甘(あま)きこと醴(れい)《割書:あま|さけ》
の如(こと)し故(ゆへ)に名(な)つく又 蔓(つる)細(ほそ)く葉(は)小なるものあり
一種
蔓(つる)をなさす特生(とくせい)するものあり形状(かたち)ゆきかつらと同(おな)し但(たヽ)鬚(ひけ)を生(せう)して樹(きの)
皮(かは)に粘貼(つか)す
【版心の中央部】
甜藤