翻刻
三才の小児 不 俏 (われ)に問(とふ)ていふ金時が強(つよ)いか弁慶(べんけい)が強かと
日(いわく)金時より金平はつよく弁慶より弁かいはつよし
其つよいにも品定(しなさだ)めありて張(はり)のつよき姉女郎(おいらん)なれば
押のつよき客人(きやくじん)あり猶酒(なをさけ)につよき牽頭(たいこもち)カンの
つよき盲人(ざとう)いづれもつはものゝまじはりながら茶のみ
ある中の酒宴(しゆゑん)は御子様方の御口に合ず爰(こゝ)に慈悲(しひ)
なり椎(しい)の実(み)筆を走(はし)りこくらの走りかきして此ばけ
ものを書(かい)たり〳〵頭は申の年(とし)籠(こもり)尾(を)は酉(とり)の年(とし)の
新板(しんはん)もとより文盲(もんもう)慈悲(しひ)なれば大の眼(まなこ)を
ひつくりかへしておゝめに御 覧(らん)候へかし
桜川杜芳述