翻刻
風(かぜ)は暑中(しよちう)たり共(とも)悪(あし)きと心得(こゝろえ)譬(たとへ)四度(よたび)の休(やすみ)
起揃(おきそろは)す共(とも)桑(くわ)離(はなれ)ざる様(やう)肝要(かんえう)也(なり)唐土(もろこし)の
書(しよ)にも悋(をしみて)_二 一蚕(いつさんを)_一害(がいす)_二 九蚕(きうさん)_一と書(かく)一同(いちどう)蚕(かひこ)揃(そろヘ)
度(たく)長休(なかやすみ)致(いた)さする時(とき)は害(がい)に成(なる)理(ことはり)也(なり)休居(やすみゐる)
時(とき)は手入(ていれ)苦(くるしから)ず起初(おきそめ)は必(かならず)不(ず)_レ可(べから)_二手付(てをつけ)_一 三四(さんよ)
度(たび)桑付(くわつけ)る後(のち)迄(まで)嫌(きらふ)初度(しよど)の休(やすみ)は七八日(しちはちにち)
極最上(ごくさいじやう)也 余(あま)り早(はや)きは不(ず)_レ宜(よろしから)蚕(かひこ)生出(おひいで)は
黒延(くろくのび)たるは吉(よし)黒(くろく)とも太短(ふとくみじか)きは悪(あし)し蚕(かひこ)
赤色(あかいろ)又(また)は頭(かしら)計(ばかり)大(おほき)くて毛蚕(けこ)這出(はひいづ)る時(とき)
は舟(ふね)より皆(みな)死(し)する者(もの)也(なり)猶(なほ)又(また)蚕(かひこ)揚(あげ)る
節(せつ)者(は)随分(すいぶん)曳(ひき)理(り)を拾(ひろ)ひ其跡(そのあと)へ桑(くわ)を掛(かけ)
二日(ふつか)程(ほど)拾(ひろ)ひ其後(そののち)打桑(うちくわ)不(ず)_レ残(のこら)懸揚(かけあぐ)べ