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借らんにも抵当なく又縋るへき得意なき
其日暮しの族ニ至り若今火難の災ニ罹り
家財道具ハ亡ふも更なり誇りの文字を
引替て埃程の品々たりとも失なわぬ様に
厳敷用心するが肝要也元来火之元ハはから
さる過とハ云ひながら皆失念之横着より出る
事ニて其身ハ自業自得と云わるゝも他人の
一大事ニ関る事なれハ念ニ念を入麁相せぬ様
注意を尽すへき事なり
地水火風ノ内
大火之部 五拾軒以下之分ハ除之
併場所柄之儀此限ニあらす
一寛文九酉年四月十五日
福井大火事御城御家中不残焼失
勝見川端永雲寺ゟ出火辰巳風烈敷川を
越鎮むる事不能
士大夫宅三百五軒 与力足軽五百五拾三軒
町数五十九町家数弐千六百七拾六軒
寺家三拾七軒焼失