デジタルアーカイブ福井の資料を翻刻

コレクション: 松平文庫

温古集 五巻 - 翻刻

温古集 五巻 - ページ 54

ページ: 54

翻刻

七月廿日夜暫時一雨八月廿日夜雨計りにて長々 旱天炎熱難堪身の置き所なく殊に田畑も 非常之旱魃にて村落処々に用水端あり 市中諸井戸渇水志地口ゟ之浄水筋川にも 一滴の水を見す《割書:右に付別紙|由来を認》又橋南清水にも 減水して樋口上り取井戸之面々は非常之困難 せり然るに神宮寺町大岩の清水は湧出し減 する事なく幸に橋南之者は大岩清水の為に助り しも過言にあらさるなり橋北も幸に足羽川の 中央の河原に忽然と清浄水を湧出せるを発 見し該水を以て橋北数千戸食用に供せし なり餘りの旱魃に付足羽神社におゐて七月十五日 より一週間雨乞の祈祷霊験にや十九日ゟ曇り 廿日快雨車軸を流し皆々蘓【蘇】生之心地をな せりと 然るに爰におかしき一話あり或村落に 一周間雨乞祈祷を請合て郷社の前へ席を 設け暑熱難堪に玉の汗を流し丹精を懲し 祈れとも寸毫も効なかりけれは神主気をいらち て言ふ様仮令一周間に降らずば二周間三周 間いつ迄成共降る時節の来る迄祈り通しふら