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コレクション: 松平文庫

温古集 五巻 - 翻刻

温古集 五巻 - ページ 92

ページ: 92

翻刻

へくもあらす全く天地護国 神仏不思   儀之御霊告にて必当年は五穀豊作客 年以来之不景気を取直し可申時節至らんと 歓ひしが春来降勝之処間もなく四月四日 より三川初諸川洪水所々之橋落堤切れ所 等にて麦菜種畑作之諸色損害夥敷又 七月一日ゟ古今未曾有之洪水困難之模様は 別部に出す通りにて何れ悪作飢饉と覚悟し 一時米價沸騰収穫取入時節は拝置 指向き如何成事やらんと貧冨となく世上一統 案事乱しに次第に天気之順候無論之気色に 取直し水害を遁れし所々は極上無類之満作 所によりては数倍之収獲取入所あり又堤防之 切れ所彼先に向ひ砂利馳せ込み泥冠り等にて田 畑を荒せし村々も高地之持主により幸不幸 あり一旦水に浸りしも生気を取直し以前に 倍して残れる稲株も十分豊り又粟桼 大豆小豆蕎麦菜大根迄悉皆備作右水 害なくんば難有尽年なり是全前書に演る 神仏の霊告にてや有けん