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コレクション: STAGE7

風俗畫報臨時増刊第百二十六號 洪水被害録(中) - 翻刻

風俗畫報臨時増刊第百二十六號 洪水被害録(中) - ページ 11

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【左頁上段】 向の高所(かうしょ)も十中八九は水吐出来ず皆 家宅内(かたくない)に浸入し道路悉く川 となり下町向は浸水(しんずい)床上に及び浸水家屋二万餘戸床上に及(およ)びた るも数千戸を下らざるべし 又東春日井郡三階橋 附近(ふきん)は庄内川堤防破壊の為め大惨害(だいさんがい)を受け たり同地方は明治元年の大水に堤防(ていばう)を破壊したるも格別の大事 に至(いた)らざりしより村民も深く念頭(ねんとう)に懸けざりしに九日午前二時 比高間村、二城村にて庄内川の堤防(ていばう)二百間餘も欠潰して二村を 襲(おそ)ひ忽ち一面の海(うみ)と化し二村五百五十餘戸は五分間にて悉く水 中に没し僅に屋根上(やねうへ)に出でしものゝ生命(せいめい)を助かり居る姿なる も舟なき土地とて救助(きうじよ)の法もなかりしを警官(けいくわん)は臨時二十五艘の 救助船を各所に徴発(ちやうはつ)し大八車にて運送(うんそう)し午後四時過に三階附近 に到着(たうちやく)したりとのことなれば追々 救助(きうじよ)の道を開きたるなるべし庄 内川筋の决潰(けつくわい)は独り此処に止らず成願寺、庄内、川中附近其他枇 杷島方面に浸水甚だしく大惨害に切迫(せつはく)せる報告 引(ひき)も切らず又愛 知郡下の一色は海東郡福田 (庄内川筋)の堤防(ていばう)决潰せし為め水袋 の地位(ちゐ)に陥り浸水屋上に及び人命(じんめい)の損傷少なからずと熱田町も 浸水(しんすゐ)に及びたる家屋五百五十餘戸施米 救助(きうじよ)を受くるもの千六百 五十餘人に及べり    ◯名古屋市の被害 和泉町(いづみてう)警察署の部内(ぶない)倒家一戸 (柳町浅野藤作)土蔵倒壊一ヶ所 (蟹江町)巡査派  出所 (江川町全潰、藪下町半潰)學校倒潰一棟 (押切町榎尋常小学校二十七間一棟)  浸水家屋 田町六十七戸、蘇鉄町十八戸、内屋敷町七十二戸、人力車三十輌沈没 (笹島停車場前私立駐車場倒壊の為め溜池へ沈没)並木転倒新柳町通並木三十五  本中折十二本、火の見櫓三ヶ所 (藪下町東柳町本町)電燈柱倒五本 鍋屋町(なべやまち)警察署部内の被害(ひがい)家屋全倒廿七戸、同半倒廿六戸同大破百五戸、同小  破三百四十七戸、物置小家全倒廿四棟、同半倒十八棟、同大破十四棟、同小破二棟、  板塀全倒二百六ヶ所、同半倒五十九ヶ所、同破壊十三ヶ所、門戸墻壁全倒二百十九  ヶ所、同破損廿五ヶ所、諸工場全倒十四ヶ所、同大破二ヶ所、寺院大破一ヶ所 (高岳 【左頁下段】  院)同小破一ヶ所、道路破損一ヶ所、火の見櫓倒潰二ヶ所、土蔵其他大破七棟、同小  破十二棟、煙突全壊三ヶ所、鳥居倒レ二ヶ所、フヲフ杭折一ヶ所 (名古屋測候所)公  設便所倒一ヶ所、立木折損二十七本百四十七本 門前町(もんぜんてう)警察署部内の被害(ひがい)死者男一人、傷者男一人、家屋全倒十一戸、同半倒  十三戸、仏閣全倒二ヶ所、同半倒一ヶ所、公立小学校大破一ヶ所、倉庫全倒四ヶ所、  職工場全倒三ヶ所、錬武場全倒一ヶ所、手洗所同上一ヶ所、電信柱四本同上  一本、半倒三本、樹木目通り廻り三尺以上十二本、 (内に一丈二尺廻り一本)同上折  れ十六本、流失材木百六十二本 第三師団 営舎(江いしや)の被害(ひがい)砲兵砲車廠一棟破壊、第十九聯隊弾薬詰場所一棟破倒、  方面支署薬莢洗浄所一棟破壊、輜重馬糧庫一棟同上、元予備病院病室仮建物廿一  棟同上、方面支署仮砲車廠一棟 壊輜重廠仮倉庫一棟大破壊其他些少の損害巨多  あり ●熱田市街附近の被害 各所(かくしよ)の浸水何れも四五尺中に浸水八尺 に及びたる箇所(かしよ)あり、熱田海岸(あつたかいがん)木材及び船舶は皆神戸(みなかうべ)辺まで陸 上に漂(たゝよ)ひ来りて退潮(たいてう)の後其儘 陸上(りくじやう)にあり大混雑を極(きは)む神宮御境 内の立木数(たちきすう)十本折倒れ其他の各(かく)神社仏閣の境内(けいない)にて大木の倒れ たること二十 餘本(よほん)、熱田停車場裏浮島に至(いた)る田野(でんや)は一面に海水 侵入 小船(せうせん)の上陸しあるを見る(此海岸(このかいがん)より去る四五丁)呼続村 大字 豊田(とよだ)氷室新田 破壊(はくわい)一ヶ所 (長二百間)同圖書(どうどしよ)新田堤防破壊 長二十 間後尚(けんのちな)ほ調査する所に拠(よ)れば熱田浜(あつたはま)へ三百五十石積和船 三 隻(せき)ヒラタ船一隻 打揚(うちあ)げ、同町字大瀬古にて造船中(ざうせんちう)の三百五十 石積船体は風害(ふうがい)の為め破壊 飛散(ひさん)して形跡(けいせき)だも止めず、又(ま)た堀川 筋新橋際にて六百 石積(こくづみ)和船一隻 西堤(にしつゝみ)へ押上られ横(よこ)に倒れあり、 熱田 神宮(じんぐう)御境内弘法 手植(てうゑ)の楠倒れたり ◯蟹江の被害 同地方(どうちはう)の被害は蟹江川(かにえがわ)大字西福田にて東堤防八 九間決壊、福屋村(ふくやむら)字福田前新田 决潰(けつくわい)五十間、新蟹江村字鍋蓋新田 堤防決潰七八 間(けん)二ヶ所(しよ)、須成村内蟹江川 西堤防(にしていはう)决潰十五六間、 西の森村(もりむら)にて日光 川(かは)東堤防决潰 間数(けんすう)不明、行衛 不明(ふめい)二人、潰家 は亦少なからず