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コレクション: STAGE7

風俗畫報臨時増刊第百二十六號 洪水被害録(中) - 翻刻

風俗畫報臨時増刊第百二十六號 洪水被害録(中) - ページ 20

ページ: 20

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【右頁上段】 薮川筋 同廿二日午後三時四十分本巣郡石神村堤防一箇所 大野郡下磯村及び下方村 堤防(ていばう)决潰各一ヶ所 附近(ふきん)各村入水人畜死 傷流失家屋目下取調中 根尾川筋 同廿二日午後九時本巣郡木知原村 堤防(ていばう)决潰一ヶ所流 失家屋四戸浸水家屋 無数(むすう) 郡上川筋 同廿一日午後三時山縣郡千疋村堤防 决潰(けつくわい)二ヶ所延長 二百十七間 同郡(どうぐん)南春近村字瀬保堤防决崩二ヶ所 延長(えんちやう)九十間同村 字 溝口(みぞぐち)决潰二ヶ所同郡巌美村堤防 破壊(はくわい)二百四十間北春近村决潰 一ヶ所戸田村决潰一ヶ所 戸羽川筋 同廿一日山縣郡 高木村(たかぎむら)堤防决潰三ヶ所大桑村决潰五 ヶ所伊佐美村 决潰(けつくわい)三ヶ所東深瀬村决潰一ヶ所 石田川筋 同廿一日山縣郡東深瀬村 堤防(ていばう)决潰一ヶ所高富村一ヶ 所 伊自良川筋 同廿一日山縣郡掛村堤防破壊五ヶ所平井村三ヶ所 長瀧村(ながたきむら)二ヶ所上頭村二ヶ所洞田村五ヶ所 大森村(おほもりむら)三ヶ所小倉村二 ヶ所 梅原村(うめはらむら)四ヶ所此延長七百廿三間 武儀川筋 同廿一日山形郡植野村護岸 堤防(ていばう)决潰一ヶ所山縣村堤 防 决潰(けつくわい)一ヶ所 山岳崩壊 同二十日方縣郡岩崎村 山岳(さんがく)崩壊一ヶ所 同日 同郡雄総村同上同 同日 厚見郡日野村同上同 同二十一日 本巣郡佐原村山岳 崩壊(ほうくわい)の為め六名 圧死(あつし)せり 同日 山縣郡葛原村メクラ洞 山岳(さんがく)崩壊し葛原川を閉塞(へいそく)し為めに 川水漲溢 家屋(かおく)の流失十戸死亡五名負傷五名家屋の崩壊夥多あり 目下取調中 同日 山縣郡東深瀬村山岳 崩壊(ほうくわい)し為めに東深瀬村の家屋破壊三 戸西深瀬村に一戸 【右頁下段】 飛騨国地方は通行(つうかう)は勿論電信共不通なりしが昨廿日に至り初 めて電信通じ詳細(しやうさい)を知るによしなしと雖も高山町城山の東面缺(とうめんかけ) 落(お)ち島河原町人家半壊四戸 全壊(ぜんくわい)十六戸負傷十二人即死七名死体 皆 発掘(ほつくつ)せり宮村駐在所流失其他道路橋梁堤防家屋の破壊(はくわい)流失等 の取調中 ◯水害地大垣地方の実況(じつきやう) 本年水害を蒙る事 数回(すうくわい)今は大池 沼と変(へん)ぜんとする大垣地方の実況を聞くに元来(ぐわんらい)同地方は地盤低 くして川床(せんよう)却って高き程なれば其水をカブること珍(めづ)らしからず 殊(こと)に長良川其他の二流大垣附近を遶(めぐ)りて木曽川に合する所川口 狭く平日と雖ども満潮(まんてう)の際は木曽川の水 逆流(ぎやくりう)して五里の遠きに 及ぶ程なれば一朝 大雨(たいう)至れば忽ち水溢れて堤防を破壊すること 屡々なり斯く水害の多き地方(ちはう)なれば農家(のうか)にては三年に一作あれ ば可なりとする程にて大垣町を始め附近(ふきん)の家々には平日(へいじつ)水害の 用意(ようゐ)にぬかり無く其家は何れも二階屋又は屋根裏(やねうら)に仮の住家を 設け得べき建方(たてかた)にして軒下に一二艘の小舟(こぶね)を釣し置ざるは無く 井戸も亦た掘抜井戸(ほりぬきゐど)にして噴水(ふんすゐ)する仕掛なるを以て若し洪水に て二階又は家屋裏に住居し小舟にて往来(わうらい)する様になれば此井戸 に節を抜たる青竹(あをたけ)を挿し込み二階又は屋根裏(やねうら)まで噴水を呼工 夫を為しあり又た小さき𦥑と金槌(かなづち)位の杵とを用意しありて是に て米(こめ)を搗(つ)き粥坏を作りて露命(ろめい)を繋ぐ由斯く平生(へいぜい)よりすいがいの用意 あるを以て水の為に死傷者(しゝやうしや)を出すことは稀(まれ)なれども目下一面の 水と為り小舟(こぶね)の往来は秋の木葉(このは)の池に浮ぶが如く或は衝突(しやうとつ)せん かと危(あや)ぶまるゝ程なりと雖も此 地方(ちはう)の住民は平生より舟を漕 ぐ事に巧(たく)みにして種々得意の漕ぎ方抔もありて水を陸(りく)とし舟を 家と為す生活(せいくわつ)には余程慣れ居る様子なり只だ困難(こんなん)なるは食物の 缺亡(けつぼう)と浸水後病気の流行するに在り此度も屡々の洪水(こうずゐ)にて牢屋 の如き狭き二階に住居し僅(わづ)かに生命(せいめい)丈は保ち居るも食物の給与(きふよ)   【左頁挿絵】 下石津郡福岡村 堤防より死体之 浮上りたるを見る 方縣郡岩崎村山崩人家埋没 高須町横井□□ 家屋梁まで浸水 流材を筏となし避難 今尾町警察署  外二十戸余崩潰