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道を知るとのおのつからはく足るとを知れは富るか如しかの
愚福にして糞寿なるもたからを積て散すことをしらす老て
譲れる子のなきものは臨終正念ころもとなしもら顔漸
原憲の志ありて且貧しき家には入らんとしづる異色神も鼻を
つまとく必逃んと家厳はをり〳〵いへる也さりけれとも巌居水飲
浮世に疎く富貴を見ること糞出の如きは是人情にあらすかし
窮達貧富を時に任して生涯殺養なく命めきはられ天命
を保んする大福長者といふへきのみ
文政八年長月朔琴嶺興継識
文政八年長月朔
琴嶺興継識
【ここまで】
双生合体
文化十年癸酉【1813年】の夏のはしめに尾張の民銀之右衛門か妻異形の
子をうみにきといふ当時同藩の陪臣山田生かある人におく
りし消息にいはく
大番?沢井図書組松平伝右衛門知行所
尾州中島郡奥村
百姓 銀之右衛門
酉三十一歳
同人妻 きを
酉弐十壱
右きを義?当酉四月致出産候処異体之もの出生男子にて
頭二つ手足四本つゝ有之躯は一つに御座候無事に致