翻刻
仁行村四ヶ村に当屋ありて賑敷祭礼也神主
は山崎氏にて興徳寺村にあり又興徳寺村に大寺
の跡あり興徳寺坂とて往来にあり此寺は梅山
和尚開基惣持寺近門の寺なりしに禅宗より
中比改宗あり所口へ移り浄土真宗興徳寺則
是なり西方院家にて一国の触頭の録所なり
併所口興徳寺は金沢ゟ引越の寺といへりいかにや
又本口村に九兵衛とて百姓有古き印物等伝へり
長家抔よりの書物有又往来ゟ少し山手に石体場
村とて有昔泰澄大師七村山粉川寺へ山上の時
石に休み給ふ腰懸石あり今も小名にわけて
石休場と言なり又此村領の内に神田山とてあり
黒瀧とて有川中に俎飯(マナイ)岩俎箸岩庖丁岩とて
あり山神此所にて鮭(サケ)太郎といふものを料理す
るといへり其外神田山は昔長者あつて宝を納
しとて金の鶏の諷ふ事あり此色をきけは仕
合よしといへり惣して此辺は郷士の筋目とて数
多あり