翻刻
南志見の里の宿なる小娘夜すから
糸繰業もいとあい〳〵しくて
小車■たれむつましの音にそへて
惣領より弐里有本馬九拾五文軽尻五拾
小田屋 弐文人足四拾八文也家数五拾十間斗あり
惣して此辺を名志見と郷名を呼ふ也
商家酒屋抔ありよき村也南志見川あり向は里
村といふ此川の源は金蔵奥山ゟ壱筋東印内村山
より壱筋流此湊へ出る也御収納蔵壱筋御塩蔵
壱筋有又井口藤弥丞といひし郷士の城跡あり里
村に西光寺とて真言宗あり又宇出津へ行金蔵
越は此川縁を登り柳田村出る也
又曽々木大川抔行閑道は此浜より礒伝ひ行又本
道川西へ行に渋田村を経行也此渋田村に照光
寺とて一向宗あり是は南志見の城主井口氏