翻刻
船夏中不絶小屋の湊とて繁昌也此輪嶋
国府同事之所にて諸商に便よて四九の市あり
中頃まて御郡奉行在住有今も御塩代官三人
山廻り役壱人在住あり御武具土蔵御収納蔵は
河合にあり御高札は鳳至にあり両町に肝煎有
町に畠中山形久保抔とて古き船持の者あり河
合町 若恩(シマリヲン)やとて利家公御腰懸られし《見せ消ち:筯|筋》目有
鳳至町御印物頂戴せし鍛冶十三軒有輪嶋庖
丁小刀の始なり其外名物多し輪嶋素麪堅地の
朱家具熨斗蚫類海草の産名内なり
中にも白髭素麺は御献上之品なり
此《見せ消ち:溙|湊》こそ名にあふ輪嶋素麪とて家
毎門ことに女子手業に行やらふるやら
てこ臼出尻を隠すはお達手曲のほゆ
ひはねたり ■ふたりヲツソレソレサノ拍
子に出る船入る船せわしき中にも
恋はくせもの
尻目してまねくや 河岸(アレ)の神尾花