翻刻
いかさまに波へ鳴入る雲雀かな
此老たる蜑は後に聞は河浦村のあかしとて
弁舌の者なりしよし
折戸より壱里壱町本馬四十九文軽
狼煙 尻三十文家数六十軒計これより
三崎の郷といふ
此村に川崎七郎左衛門とて古き百姓有先祖は
此辺の郷士にて則城跡あり儀山の風景の
地也又家に伝る什宝あり唐の鏡とて異鏡
ありうら裏には八分(ハフン)字の三字あり留定重しと云
文字なりといへとも■かぬるなり又釈迦如来の
金像衣のきれとて五部四方計あり武兵衛家ゟ
拝領せし蜀江の錦の切あり又齋藤氏より伝
へるとて利常公の御将来の錦の切れありまた
利家公御筆の短冊とてあり
山家といふ題に
忘れしの人たにとわぬ山路かな