翻刻
任せられしなり義則 ̄ニ至迄六代七尾ノ城主なり
又狼煙新村は寺家へ行往来にあり能き百
姓あり
もはや此国の五十里の■に来れは
神子島山なくなりて海はかり
又三崎の山伏山とて此国五十里のとまり北のはて
にある高山なり是は過半狼煙村の領なり
元は鈴ヶ嶽といへり渡海の船難風出合三崎
権現に祈るに火見ゆる也夫より山を見て難を
のかる事也よつて狼煙の名あり此山を廻れは
三崎権現也今は大寺ゟ夏中山の半途に大なる
灯明堂ありて一夜に油壱升燈心布三尺宛
渡りて渡海のたすけとなし給へり誠に此山は
海中五十里指出る尾に有高山にて其上枯木も
覆て渡海の見当となる山也又此山を山伏山と
いふに色々いわれ有日野中納言資朝卿の一男阿新
丸父の仇を射て佐渡の沖にて追手かゝり
難義に及しを三崎権現幼年の孝心を憐み