翻刻
物語ありしにくらきことなし後にはむつかし
とて人行てもものいわす物のいひこしいつ
れ西国中国辺の者にやありけん長生して宝
暦年中迄ありしといへりいかにも徳をかくして
ありける高僧の類か又は敵抔持て身隠せる
ものにや有けんと其破船役人に行し人予に
物語有不思義なる者にてありけり
世は火宅とて火■三昧のよ入り市
中都而静なるとありしも仏説な
れはしらす此翁の竃の前の住居さ
■と爰に思ひ出して
今更に祖父のかまとの内■し
爰に三崎の雀踊とて盂蘭盆より
菊月の末まて老若男女打ましり
翁も枝を帯はさみ姥は孫を手引
抔して浜遍もせはきと村毎さと
毎に群て踊る躰誠に世事も忘
れ余念なく和順の風 取もの